三角比を含む方程式と不等式

三角比を含む方程式

以下の式を満たす $\theta$ を求めよ。ただし $0^\circ\leqq\theta\leqq180^\circ$ とする。

  1. $\cos\theta =-\dfrac{\sqrt{3}}{2}$
  2. $\sin\theta=\dfrac{\sqrt{2}}{2}$
  3. $\tan\theta=-\sqrt{3}$
  4. $\sin\theta=1$

  1. 1の図

    図のように、上半分の単位円周上において、$x$ 座標が $-\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ である点を取る。

    このとき、$\triangle{\text{OPQ}}$ は辺の長さが $1:2:\sqrt{3}$ の直角三角形なので \[\angle{\text{POQ}}=30^\circ\] つまり、$\theta=180^\circ-30^\circ=\boldsymbol{150^\circ}$。

  2. 2の図

    図のように、上半分の単位円周上において、$y$ 座標が $\dfrac{\sqrt{2}}{2}$ である点を取る。

    そのような点は2つ存在し、$\triangle{\text{OPQ}}$、$\triangle\text{OP'Q'}$ とも 直角二等辺三角形であるので \[\angle{\text{POQ}}=45^\circ~,~\angle\text{P'OQ'}=45^\circ\] つまり、$\boldsymbol{\theta=45^\circ}$、または、$\theta=180^\circ-45^\circ=\boldsymbol{135^\circ}$。

  3. 3の図

    動径の傾きが $\tan$ に一致するので、図のように、傾き $-\sqrt{3}$ の直線を引く。

    $\triangle{\text{OPQ}}$ は辺の長さが $1:2:\sqrt{3}$ の直角三角形なので \[\angle{\text{OPQ}}=60^\circ\] つまり、$\theta=180^\circ-60^\circ=\boldsymbol{120^\circ}$。

  4. 4の図

    上半分の単位円周上において、$y$ 座標が $1$ である点を取ればよい。

    このとき、図より、$\boldsymbol{\theta=90^\circ}$。

吹き出し三角比を含む方程式と不等式

有名角の三角比に限れば、三角比から角度を求めるときと、角度から三角比を求めるときに重要なことは、次のことに限られる。

つまり、条件に合うよう単位円と動径を描き、うまく垂線を引いて

  • 3辺の長さが $1,~\dfrac{\sqrt{2}}{2},~\dfrac{\sqrt{2}}{2}$ の直角三角形を作ることができる。
  • 3辺の長さが $1,~\dfrac{\sqrt{3}}{2},~\dfrac{1}{2}$ の直角三角形を作ることができる。
  • 直角三角形を作る必要はない。
のいずれに当てはまるかを判断することである。

三角比を含む不等式

以下の式を満たす $\theta$ を求めよ。ただし $0^\circ\leqq\theta\leqq180^\circ$ とする。

  1. $\cos\theta\leqq-\dfrac{\sqrt{3}}{2}$
  2. $\sin\theta\gt\dfrac{\sqrt{2}}{2}$
  3. $\tan\theta\gt-\sqrt{3}$

  1. 1の図
    上半分の単位円周上において \[(x座標の値)\leqq-\dfrac{\sqrt{3}}{2}\] であればよい。そのようになるのは、図の太線部分であるので $\boldsymbol{150^\circ\leqq\theta\leqq180^\circ}$。
  2. 2の図
    上半分の単位円周上において \[(y座標の値)\gt\dfrac{\sqrt{2}}{2}\] であればよい。そのようになるのは、図の太線部分であるので $\boldsymbol{45^\circ\lt\theta\lt135^\circ}$。
  3. 3の図
    上半分の単位円周上において \[(動径の傾き)\gt-\sqrt{3}\] であればよい。そのようになるのは、図の太線部分であるので $\boldsymbol{0^\circ\leqq\theta\lt90^\circ,120^\circ\lt\theta\leqq180^\circ}$。