因数分解を利用した解法

(注)

2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の左辺が因数分解できる場合には、実数 $A$、$B$ についての積の性質 \[AB=0~\Longleftrightarrow~A=0~または~B=0\] をもちいて、次の例のように解くことができる。

なお、「または」はカンマ「$,$」で代用されることがある。

暗記2次方程式の解法(因数分解の利用)

2次方程式 $3x^2+2x-8=0$ を、因数分解を使って解くことを考えよう。

左辺を因数分解すると、2次方程式は \[\left(x+\fbox{A}\right)\left(\fbox{B}x-\fbox{C}\right)=0\] と変形できる。

一般に、実数 $P$、$Q$ について \[PQ=0~\Longleftrightarrow~P=0~または~Q=0\] が成り立つから、$P=x+\fbox{A}$、$Q=\fbox{B}x-\fbox{C}$ と考えれば \[x+\fbox{A}=0~または~\fbox{B}x-\fbox{C}=0\] が成り立つ。

この2つの式は、1次方程式であり、それぞれ解くと \[x=-\fbox{D}~,~x=\dfrac{\fbox{E}}{\fbox{F}}\] となり、これが2次方程式の解である。

$\fbox{A}=\boldsymbol{2}$、$\fbox{B}=\boldsymbol{3}$、$\fbox{C}=\boldsymbol{4}$、$\fbox{D}=\boldsymbol{2}$、$\fbox{E}=\boldsymbol{4}$、$\fbox{F}=\boldsymbol{3}$

2次方程式を解く(因数分解の利用)

次の2次方程式を解け。

  1. $x^2-2x-15=0$
  2. $x^2-8x+16=0$
  3. $12x^2-17x+6=0$
  4. $3x^2+2x-3=-2x+1$
  5. $\dfrac{1}{9}x^2+x+2=0$

  1. 左辺を因数分解して \[(x+3)(x-5)=0~\Leftrightarrow~\boldsymbol{x=-3~,~5}\]
  2. 左辺を因数分解して \[(x-4)^2=0~\Leftrightarrow~\boldsymbol{x=4}\]
  3. 左辺を因数分解して \[(4x-3)(3x-2)=0~\Leftrightarrow~\boldsymbol{x=\dfrac{3}{4}~,~\dfrac{2}{3}}\]
  4. まず、式を整理すると $3x^2+4x-4=0$ となるので、左辺を因数分解して \[(x+2)(3x-2)=0~\Leftrightarrow~\boldsymbol{x=-2~,~\dfrac{2}{3}}\]
  5. 両辺を $9$ 倍すると $x^2+9x+18=0$ となるので、左辺を因数分解して \[(x+6)(x+3)=0~\Leftrightarrow~\boldsymbol{x=-6~,~-3}\]

吹き出し無題

2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の左辺が因数分解できる場合はこの解法で解こう。因数分解の訓練にもなるし、複雑な計算なしに解くことができる。