n分割する場合の極限
v=0.8t+2 から、速度は 1[s] ごとに 0.8[m/s] ずつ増加するのがわかる。まず、下図のように、時刻 0[s] から 10[s] までを位置を n 等分する。そして、一区間である 10n[s] ごとに、0.8×10n=8n[m/s] ずつ段階的に速度を上げる v−t グラフを考える。
v−t グラフ

このとき,移動距離は各長方形の面積を足し合わせることにより 10n×(2+8n)⏟(1)+10n×(2+2⋅8n)⏟(2)+10n×(2+3⋅8n)⏟(3)+⋯⋯+10n×(2+k⋅8n)⏟(k)+⋯+10n×(2+n⋅8n)⏟(n) これを ∑ 記号で表すと、n∑k=1{10n×(2+k⋅8n)} となる。以下、これを計算すると n∑k=1{10n×(2+k⋅8n)}=10nn∑k=1(2+k⋅8n)=10nn∑k=12+80n2n∑k=1k=10n⋅2n+80n2⋅n(n+1)2=20+40(n+1)n となる。この式の n に 5 や 10 を代入すれば、さきほど求めた 68[m] や 64[m] になる。
さて、段階をどんどん細かくしていくということは、「n 等分」である n の値をどんどん大きくしていくということに他ならない。つまり、lim という極限値が求めるべき値である。これを計算すると \begin{align} &\lim_{n\to\infty}\left\{20+\dfrac{40(n+1)}{n}\right\}\\ =&\lim_{n\to\infty}\left\{20+40\left(1+\dfrac{1}{n}\right)\right\}=60[\text{m}] \end{align} となる。この値は、『速度が変化する場合の v-t グラフと移動距離』で台形の面積として求めた移動距離と一致していることを確認しよう。