円の方程式~標準形~

中心$(2, − 1)$,半径$3$の円の方程式は$(x − 2)^2 + (y + 1)^2 = 9$となるが,この式は

\begin{align} &(x_2)^2 + (y+1)^2=9 \\ \Leftrightarrow& x^2 -4x +4 +y^2 +2y+1 =9\\ \Leftrightarrow& x^2 +y^2 -4x +2y -4=0 \end{align}

と変形することができる. 逆に,方程式$x^2 + y^2 − 4x + 2y − 4 = 0$は

\begin{align} &x^2 +y^2 -4x +2y -4=0 \\ \Leftrightarrow&(x^2 -4x +4)+(y^2 +2y +1)-4= 4+1\\ \Leftrightarrow&(x_2)^2 +(y+1)^2 = 9 \end{align}

と変形し,中心$(2,~2)$,半径$1$の円の方程式に一致することがわかる.

一般に方程式$x^2 + y^2 + lx + my + n = 0$は

\begin{align} &x^2 + y^2 +lx +my +n=0 \\ \Leftrightarrow & \quad \underbrace{\left(x+\dfrac{l}{2}\right)^2}\quad+\underbrace{\left(y+\dfrac{m}{2}\right)^2}\\ &xについて平方完成 \ \ \ yについて平方完成\\ &=\dfrac{l^2}{4} + \dfrac{m^2}{4}-n \end{align}

と変形できるので,$\dfrac{l^2}{4} + \dfrac{m^2}{4}-n>0$であれば, 円の方程式を表していることになる.

円の方程式〜標準形〜

$x,~y$についての方程式

\begin{align} x^2 + y^2 +lx +my +n=0 \end{align}

は,$\dfrac{l^2}{4} + \dfrac{m^2}{4}-n>0$のときに円を表す方程式である.

円の方程式〜平方完成形と標準形〜

次の方程式のうち,円の方程式を表すものについては中心と半径を求めよ.

  1. $x^2 + y^2 − 2x + 4y + 1 = 0$
  2. $x^2 + y^2 − 6y + 1 = 0$
  3. $x^2 + y^2 − 3x + 5 = 0$
  4. $x^2 + y^2 + 4x + 4y + 8 = 0$

  1. 与式の左辺を平方完成すると

    \begin{align} (x_1)^2+(y+2)^2=4 \end{align}

    となるので,

    中心は

    $\boldsymbol{(1,-2)}$,

    半径は

    $\boldsymbol{2}$.

  2. 与式の左辺を平方完成すると

    \begin{align} x^2+(y+3)^2=8 \end{align}

    となるので,

    中心は

    $\boldsymbol{(0,-3)}$,

    半径は

    $\boldsymbol{2\sqrt{2}}$.

  3. 与式の左辺を平方完成すると

    \begin{align} \left(x-\dfrac32\right)^2+y^2=-\dfrac{11}{4} \end{align}

    となるので,この方程式は円を表さない.

  4. 与式の左辺を平方完成すれば

    \begin{align} (x+2)^2+(y+2)^2=0 \end{align}

    となるので,この方程式は円を表さない.

    ←この方程式を満たす必要十分条件は,$x + 2 = 0,y + 2 = 0$であるので, $(x,~y)=(-2,-2)$のみが方程式を満たす. つまり,方程式$x^2 + 4x + y^2 + 4y + 8 = 0$のグラフは, 「点$( − 2, − 2)$」となる.