文字定数を含む2次関数の最大・最小

文字定数を含む2次関数の形の判別

放物線 \[C:y=x^2-4ax+a^2~~(-5\leqq{x}\leqq5)\] について以下の問に答えよ。

  1. $C$ の軸が定義域より左側にあるための、$a$ の範囲を求めよ。また、定義域内における $C$ の最大値、最小値を求めよ。
  2. $C$ の軸が定義域より右側にあるための、$a$ の範囲を求めよ。また、定義域内における $C$ の最大値、最小値を求めよ。
  3. $C$ の軸が定義域の中にあるための、$a$ の範囲を求めよ。また、この範囲のうち、定義域の左端で $C$ が最大となるような $a$ の範囲を求め、このときの $C$ の最大値、最小値を求めよ。

$y=x^2-4ax+a^2$ の右辺を平方完成すると \[y=(x-2a)^2-3a^2\] となるので、このグラフの軸は $x=2a$ である。

  1. 1のグラフ
    放物線の軸 $x=2a$ が定義域の左端 $x=-5$ よりさらに左にあればよい。よって \[2a\lt-5~\Leftrightarrow~\boldsymbol{a\lt-\dfrac{5}{2}}\]
    • $y$ 座標が最大となるのは定義域の右端なので、最大値 $\boldsymbol{a^2-20a+25}$($x=5$ のとき)
    • $y$ 座標が最小となるのは定義域の左端なので、最小値 $\boldsymbol{a^2+20a+25}$($x=-5$ のとき)
  2. 2のグラフ
    放物線の軸 $x=2a$ が定義域の右端 $x=5$ よりさらに右にあればよい。 \[5\lt2a~\Leftrightarrow~\boldsymbol{\dfrac{5}{2}\lt{a}}\]
    • $y$ 座標が最大となるのは定義域の左端なので、最大値 $\boldsymbol{a^2+20a+25}$($x=-5$ のとき)
    • $y$ 座標が最小となるのは定義域の右端なので、最小値 $\boldsymbol{a^2-20a+25}$($x=5$ のとき)
  3. 3のグラフ
    放物線の軸 $x=2a$ が定義域の中にあるためには \[-5\leqq2a\leqq5~\Leftrightarrow~\boldsymbol{-\dfrac{5}{2}\leqq{a}\leqq\dfrac{5}{2}}\] さらに、定義域の左端で $y$ 座標が最大となるには、軸が定義域の右半分に存在すればよい。つまり \[0\leqq2a\leqq5~\Leftrightarrow~\boldsymbol{0\leqq{a}\leqq\dfrac{5}{2}}\]
    • $y$ 座標が最大となるのは定義域の左端なので、最大値 $\boldsymbol{a^2+20a+25}$($x=-5$ のとき)
    • $y$ 座標が最小となるのは $C$ の頂点なので、最小値 $\boldsymbol{-3a^2}$($x=2a$ のとき)

吹き出し無題

上の問題において、$a=0$ のときは定義域の両端で最大値をとる。

2次関数の最大・最小(文字定数を含む場合)

2次関数 \[f(x)=x^2-4x+5~(0\leqq{x}\leqq{a})\] について以下の問に答えよ。ただし、$a\gt0$ とする。

  1. 最小値を求めよ。
  2. 最大値を求めよ。

$y=f(x)$ を平方完成して \[y=(x-2)^2+1\] となるので、このグラフをもとに問に答える。

    1. 1-iの図
      $\boldsymbol{0\lt{a}\lt2}$ のとき $0\leqq{x}\leqq{a}$ におけるこの関数のグラフは、右図の放物線の実線部分となる。この定義域内では、関数の値は減少するから、最小値は $f(a)=a^2-4a+5$ となる。
    2. 1-iiの図
      $\boldsymbol{2\leqq{a}}$ のとき $0\leqq{x}\leqq{a}$ におけるこの関数のグラフは、右図の放物線の実線部分となる。この場合には、定義域内に軸 $x=2$ が含まれるから、最小値は $f(2)=1$ となる。
    以上i、iiをまとめると
    • $\boldsymbol{0\lt{a}\lt2}$ のとき、最小値 $f(a)=\boldsymbol{a^2-4a+5}$
    • $\boldsymbol{2\leqq{a}}$ のとき、最小値 $f(2)=\boldsymbol{1}$
    1. 2-iの図
      $\boldsymbol{0\lt{a}\lt4}$ のとき $0\leqq{x}\leqq{a}$ におけるこの関数のグラフは、右図の放物線の実線部分となる。この場合には、定義域の両端の $y$ 座標を比べると、左端の方が大きい。よって、最大値は $f(0)=5$ となる。
    2. 2-iiの図
      $\boldsymbol{4\leqq{a}}$ のとき $0\leqq{x}\leqq{a}$ におけるこの関数のグラフは、右図の放物線の実線部分となる。この場合には、定義域の両端の $y$ 座標を比べると、右端の方が大きい。よって、最大値は $f(a)=a^2-4a+5$ となる。
    以上i、iiをまとめると
    • $\boldsymbol{0\lt{a}\lt4}$ のとき、最大値 $f(0)=\boldsymbol{5}$
    • $\boldsymbol{4\leqq{a}}$ のとき、最大値 $f(a)=\boldsymbol{a^2-4a+5}$

吹き出し無題

$a$ の値を $0$ から増やしていくとき、グラフの最大値・最小値をとる点がいつ変わるのかグラフを描いて考えて、場合分けをしよう。