ベクトルの1次結合の定義(空間)

2 つの$\vec{a},\vec{b}$ に関する1 次結合は,「ベクトルの1 次結合の定義」で見たように,適当な実数$s,t$ を用いて

\[s\vec{a} + t\vec{b}\]

と表されるベクトルのことであった.

ここでは,これを拡張して,3 つの$\vec{a},\vec{b},\vec{c}$ に関する1 次結合を次のように定義する.

1 次結合の定義

3 つのベクトル,$\vec{a},\vec{b},\vec{c}$ に対して,適当な実数$s,t,u$ を用いて

\[s\vec{a} + t\vec{b} + u\vec{c}\]

と表されるベクトルのことを,$\vec{a},\vec{b},\vec{c}$ の1 次結合という.

ベクトルの1次結合の定義の図その1

たとえば,右図の空間において$\overrightarrow{\text{OP}}$ を$\vec{a},\vec{b},\vec{c}$の1次結合で表すと

\[\overrightarrow{\text{OP}} = 3\vec{a} + 2\vec{b} + \dfrac{1}{2}\vec{c}\]

とただ1通りに表せる.

ベクトルの1次結合の定義の図その2

また,左図の平面おいて,$\overrightarrow{\text{OP}}$ を$\vec{a},\vec{b},\vec{c}$ の1次結合で表すと

\begin{align} \overrightarrow{\text{OP}} &= 4\vec{a} + 0\vec{b} + 2\vec{c}\\ \overrightarrow{\text{OP}} &= 6\vec{a} + 4\vec{b} + 0\vec{c}\\ \overrightarrow{\text{OP}} &= 5\vec{a} + 2\vec{b} + \vec{c}\\ &\qquad \qquad \vdots \end{align}

などいろいろな方法で表せる.