簡単な分数漸化式($q=0$の場合)

分数型漸化式が $\dfrac{pa_n}{ra_n+s}$ のような形をしている場合は,両辺の逆数をとって

\begin{align} &\frac{1}{a_{n+1}}=\frac{ra_n+s}{pa_n}\\ \therefore\ &\frac{1}{a_{n+1}}=\frac{s}{p}\cdot\frac{1}{a_n}+\frac{r}{p} \end{align}

と変形し, $b_n=\dfrac{1}{a_n}$ とおくことにより

\[b_{n+1}=\frac{s}{p}\cdot b_n+\frac{r}{p}\]

となり線形2項間漸化式へ帰着される.

【解答1:等比数列に帰着させる方法】

分数型漸化式 $a_{n+1}=\dfrac{pa_n+q}{ra_n+s}$ の $t$ に関する

\[t=\frac{pt+q}{rt+s}\]

という方程式が異なる2つの実数解 $t=\alpha,\beta$ をもつとき

\[b_n=\frac{a_n-\beta}{a_n-\alpha}\]

とおくと, $\{b_n\}$ が等比数列となることを利用する.

【解答2:簡単な分数型漸化式に帰着させる方法】

$t$ に関する

\[t=\frac{pt+q}{rt+s}\]

という方程式が実数解 $t$ をもつとき(2解あるときはどちらでもよい),この式より $t$ は

\begin{align} &t=\frac{pt+q}{rt+s}\\ \Leftrightarrow\ &t(rt+s)=pt+q\\ \Leftrightarrow\ &(p-rt)t=st-q\tag{1}\label{kaihou2-1} \end{align}

となるのを利用して, $a_{n+1}-t$ を計算すると

\begin{align} a_{n+1}-t&=\frac{pa_n+q}{ra_n+s}-t\\ &=\frac{pa_n+q-t(ra_n+s)}{ra_n+s}\\ &=\frac{(p-rt)a_n-(st-q)}{ra_n+s}\\ &\eqref{kaihou2-1}より\\ &=\frac{(p-rt)a_n-(p-rt)t}{ra_n+s}\\ &=\frac{(p-rt)(a_n-t)}{ra_n+s} \end{align}

となる.ここで, $b_n=a_n-t$ とおくと

\begin{align} b_{n+1}&=\frac{(p-rt)b_n}{r(b_n+t)+s}\\ &=\frac{(p-rt)b_n}{rb_n+(rt+s)} \end{align}

となり,簡単な分数型漸化式( $q=0$ の場合)に帰着される.