群数列を考える際のポイント

群数列を見たら,問題を考える前に,まず次の2つの点について調べておくとよい.

  1. 第 $n$ 項 $a_n$ がわかるときは求めておく.
  2. 第1群から第 $n$ 群までにいくつの項があるのか調べその数を $l_n$ とおく.

前ページの例で調べてみよう.

この数列は,初項1公差2の等差数列であるから

\[a_n=1+(n-1)\times2=2n-1\]

とわかる.

また,第1群には項が1個,第2群には項が3個,第3群には項が5個, $\cdots$ ,第 $n$ 群には項が $2n-1$ 個あるのがわかる.よって,第1群から第 $n$ 群までに含まれる項の数 $l_n$ は

\begin{align} l_n&=1+3+5+\cdots+(2n-1)\\ &=\sum_{k=1}^{n}(2k-1)=n^2 \end{align}

と求まる.

もう1 つの例でも試してみよう.

この例で第 $n$ 項はすぐにわかりそうにない.

また,第1群には項が1個,第2群には項が2個,第3群には項が3個, $\cdots$ ,第 $n$ 群には項が $n$ 個あるのがわかる.よって,第1群から第 $n$ 群までに含まれる項の数 $l_n$ は

\begin{align} l_n&=1+2+3+\cdots+n\\ &=\sum_{k=1}^{n}k=\frac{n(n+1)}{2} \end{align}

これら2つのポイントを押さえると,群数列の問題が考えやすくなる.

群数列

次の数列について各問題に答えよ

\[\frac{1}{2},\frac{2}{3},\frac{1}{3},\frac{3}{4},\frac{2}{4},\frac{1}{4},\frac{4}{5},\frac{3}{5},\frac{2}{5},\frac{1}{5},\frac{5}{6}\]
  1. $\dfrac{18}{25}$ ははじめから数えて第何項目にあるか.
  2. はじめから数えて第666項目にある分数は何か.
  3. 初項から第666項までの和を求めよ.

  1. 次のように群分けをおこなう.
  2. 規則より, $\dfrac{18}{25}$ は第24群に存在していることがわかる.第 $n$ 群に含まれる項数が $n$ であることを考えると,第23群までの項数は

    \begin{align} 1+2+3+\cdots+23&=\frac{1}{2}\cdot23(1+23)\\ &=276 \end{align}

    よって,第24群の第1項は,最初から数えて277番目になる. $\dfrac{18}{25}$ は第24群の第7項なので

    \[277+7-1=283\]

    以上より, $\dfrac{18}{25}$ は最初から数えて $\boldsymbol{283}$ 番目の項となる.

  3. 第666項が含まれる群を求める.666項が第 $n$ 群に含まれるとすると
  4. \begin{align} &(第n-1群までの項数)\lt666\\ &\qquad\lt(第n項までの項数)\\ \Leftrightarrow&\ \frac{1}{2}(n-1)n\lt666\lt\frac{1}{2}n(n+1) \end{align}

    これを満たす $n$ は $n=36$ である. $\dfrac{1}{2}(36-1)36=630$ より,第36群の第1項は,最初から数えて631番目である. $666-631+1=36$ なので,最初から数えて第666項目の分数は,第36群の第36項であり, $\boldsymbol{\dfrac{1}{37}}$ である.

  5. 第 $n$ 群に含まれる項の和 $S_n$ は
  6. \begin{align} S&=\frac{n}{n+1}+\frac{n-1}{n+1}+\cdots+\frac{1}{n}\\ &=\frac{1}{n+1}\{n+(n-1)+\cdots+1\}\\ &=\frac{1}{n+1}(1+2+\cdots+n)\\ &=\frac{1}{n+1}\cdot\frac{1}{2}n(n+1)\\ &=\frac{n}{2} \end{align}

    よって,第666項までの和は第36群までの和で

    \begin{align} \sum_{k=1}^{36}\frac{k}{2}&=\frac{1}{2}\cdot\frac{1}{2}36\cdot37\\ &=\boldsymbol{333} \end{align}