直線の集まりとして式をみる方法

無題

無題

方程式$y = kx + 1$のグラフは,実数$k$ の値によって異なるが, 図のように,必ず$y $切片が1,つまり$(0, 1)$を通る直線となる.

逆に,$(0, 1)$を通る直線は,$y$軸に平行な直線以外は,$y = kx + 1$という形の方程式で表される.

直線の方程式を見て,それがどのような直線の集まりを表すか見抜けるよう, 次の例題で練習してみよう.

直線の集まりとして式をみる-その1-

  1. 直線$y = 2x + k$($k$ はすべての実数)はどのような直線の集まりか.

  2. 直線$y = kx – 3$($k$ はすべての実数)はどのような直線の集まりか.

  3. 直線$y − 3 = k(x + 2)$($k$ はすべての実数)はどのような直線の集まりか.

  1. 傾きが$2$である直線の集まり

    になる. $\blacktriangleleft$切片の場所は分からないが,傾きは必ず2である.

  2. $(0, − 3)$を通り$y$軸に平行でない直線の集まり

    になる. $\blacktriangleleft y$ の係数は$0$でないため.

  3. $( − 2, 3)$通り$y $軸に平行でない直線の集まり

    になる $\blacktriangleleft$「直線$x = 3$以外の,$( − 2, 3)$を通る直線の集まり」でもよい

直線の集まりとして式をみる-その2-

$k $を実数とする.直線$l :kx + x + y + 3k = 0$について,以下の問いに答えなさい.

  1. $ k$の値に関わらず$l$が通る点$A$の座標を求めよ.

  2. $k$が任意の値を取るとき,直線$l$ はどのような直線の集まりになるか.

$k$ についての降べきの順にまとめると

$kx+x+y+3k=0 $
$\Leftrightarrow~k(x+3)+x+y=0$

$k$ の値に関わらずこの等式が成り立つには, $(x, y)$が連立方程式 \begin{cases} x+3=0\\ x+y=0 \end{cases} を満たせばよい.これを解いて,$(x, y) = ( − 3, 3)$ であるので, $A( − 3, 3)$