複素数の導入

無題

無題

1次方程式 $3x − 2 = 0$ は整数の範囲に解をもたないが,有理数の範囲では$x=\dfrac{2}{3}$ という解をもつ. また,2次方程式 $x^2 = 3$ は有理数の範囲に解をもたないが,実数の範囲では $x=\pm\sqrt{3}$ という解をもつ.

このように,数の考え方を広げることで,方程式が新しく解をもつ場合がある.

実数の2乗は負にはならないので,2次方程式 $x^2 = − 3$ は実数の範囲に解をもたない. では,どのように数の考え方を広げれば,この方程式も解をもつだろうか. 以下では,そのことについて考えていく.