数学I 第2章 関数と方程式・不等式 — 関数
この節の前提いろいろな数
2つの変数 x と y が、互いに関係なくばらばらに動くのではなく、x の値に応じて y の値が決まるとき、y は x の関数であるという。以下では、関数の考え方を確認し、関数にまつわる基本的な用語について学んでいく。
関数の基本知識
関数とは何か
3 L の水が入っている水槽の中に毎分 2 L の割合で水を入れたとする。
水を入れてから経過した時間が x 分とすると、水槽の中の水の量 y L は
y=2x+3
と計算することができる。
また、正方形の一辺の長さを x cm とすると、その面積 y cm² は
y=x²
と計算することができる。
このように、「x の値を決めるとそれに応じて y の値がただ1つだけ決まる」とき、y は x の関数 (function) であるという。
ただし、「ただ1つ」という条件は y の側だけにつくことに注意しよう。 y=x² のように、異なる x の値(1 と -1 など)に同じ y の値が対応しても構わない。
y が x の関数であるということを、一般的に
y=f(x)
などと表す。関数 y=f(x) において、x の値が a であるとき、対応する y の値を f(a) で表し、f(a) を x=a のときの関数 f(x) の値という。
たとえば、 f(x)=2x²-3x+4 のとき
f(1)=2・ 1²-3・ 1+4=3
f(a)=2・ a²-3・ a+4=2a²-3a+4
である。
また
f(x-1)=2(x-1)²-3(x-1)+4=2x²-7x+9
という書き方もできる。x に x-1 をあてはめるという考え方に初めは違和感を覚えるかもしれない。x は何かを入れるための箱のようなものと考えるとよい。
この x のように、いろいろな値をとる文字を変数 (variable) という。水槽の例では、経過した時間 x も、それに応じて決まる水の量 y も変数である。これに対して、決まった値を表す文字や数は定数 (constant) という。
関数をグラフで表すということ
平面上に数直線を2本、直交するようにとると、その平面上の点 P の位置は、次の図のように実数の組 (a, b) で表すことができる。この組 (a, b) を点 P の座標 (coordinates) といい、P(a, b) と書く。
この直交する数直線のことを座標軸 (coordinate axes) といい、座標軸の定められた平面を座標平面 (coordinate plane) という。
座標平面は、座標軸によって4つの部分に分けられる。これらを下図のように、それぞれ
- x>0、 y>0 :第一象限 (first quadrant)
- x<0、 y>0 :第二象限 (second quadrant)
- x<0、 y<0 :第三象限 (third quadrant)
- x>0、 y<0 :第四象限 (fourth quadrant)
という(座標軸はどの象限にも含めない)。
次に、関数 y=f(x) を座標平面に図示することを考えよう。
たとえば、関数 y=x+2 を図示するには、 y=x+2 を満たす値の組 (x, y) を座標として座標平面上に点を打っていけばよい。
同様に、関数 y=x² を図示するには、 y=x² を満たす値の組 (x, y) を座標として座標平面上に点を打っていけばよい。
一般に、関数 y=f(x) において、x の値とそれに対応する y の値の組 (x, y) を座標とする点全体の作る座標平面上の図形を、関数 y=f(x) のグラフ (graph) という。
定義域とは何か
関数 y=f(x) において、x のとる値の範囲を、この関数の定義域 (domain) という。定義域をはっきりと示す場合には、関数とともに
y=f(x) (a≦ x≦ b)
などと書く。
たとえば、関数 y=x+2 において、x のとる値の範囲、すなわち定義域を -1≦ x≦3 とするとき
y=x+2 (-1≦ x≦3)
と表す。
ただし、関数においてその定義域が特に示されていない場合には、その関数が意味を持つ範囲ですべての x の値を考える。たとえば
y=x+2
とだけ書かれていた場合には、定義域はすべての実数であり、また
y=1/x
とだけ書かれていた場合には、0 での除法は意味をなさないので、定義域は 0 以外のすべての実数である。
値域と最大値・最小値
関数 y=f(x) において、x が定義域すべての値をとるときの y のとる値の範囲を、この関数の値域 (range) という。
たとえば、関数
y=x+2 (-1≦ x≦3)
の値域は、下のグラフからわかるように
1≦ y≦5
となる。
このように、関数において、その値域に最も大きい値があるとき、その値をこの関数の最大値 (maximum value) といい、その値域に最も小さい値があるとき、その値をこの関数の最小値 (minimum value) という。
たとえば、上の関数 y=x+2 (-1≦ x≦3) では、値域が 1≦ y≦5 であるから、 x=3 のとき最大値 5 をとり、 x=-1 のとき最小値 1 をとる。
なお、式は同じでも定義域を -1< x<3 とすると、値域は 1< y<5 となり、5 にいくらでも近い値はとれるが 5 そのものはとれない。1 についても同じであるから、この場合は最大値も最小値も無い。上の定義で「最も大きい値があるとき」「最も小さい値があるとき」と断っているのは、このように最大値や最小値が存在しない場合があるからである。
最終更新: 2026-09-03
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