数学II 第6章 微分法 — 極限

この節の前提平均の速度と瞬間の速度

この節では、瞬間の速度で学んだ考え方を、関数を利用することにより、より一般的に見ていくことにしよう。

極限の定義

極限の定義について

§

定義1極限の定義

関数 において、 が と異なる値をとりながら に限りなく近づくとき、 が定数α(アルファ)に限りなく近づくならば または と書き、この値 のことを、 のときの の極限値 (limit value) という。

また、 は限りなく に近づくという意味で

のとき、 は に収束 (convergence)する

ということもある。

極限の考え方の基本~例1~

ここで、例として において がいくつになるのか考えてみよう。

たとえば、 を からスタートして、 と に近づけていくと と計算できるので、次の表のようにまとめられる。

この表を右に続けていく、つまり を に近づけていくと、 の値は に近づいていくことがわかる。

また、 を からスタートして、 と、距離を半分ずつつめながら に近づけていくと と計算できるので、次の表のようにまとめられる。

この表からも、 を に近づけると、 は に近づくことがわかる。

以上2つの例からわかるように であるといえる。

この結果は、図の のグラフから明らかであろう。

また、ここで であるから、結果として となっていることがわかる。

一般に、この のように、 のグラフが で途切れていないとき、 の値は となる。このことを知っていれば、上で調べたようにわざわざ表を作って考察しなくても、すぐに極限値を求めることができる。

しかし、次の例のように、関数 のグラフの形がすぐにはわからないようなときには、グラフが途切れている可能性が あるので、極限値を求めるのに注意を要する。

座標平面に直線 y=2x+1 が描かれており、x=1、y=3 の位置にある点(1, 3)に向かって、直線上の下側と上側の両方向から矢印が向いている。

極限の考え方の基本~例2~

では、その例として、 において がいくつになるのか考えてみよう。

たとえば を からスタートして、 と に近づけていくと と計算できるので、次の表のようにまとめられる。

この表を右に続けていく、つまり を に近づけていくと、 の値は に近づいていくことがわかる。

また、 を からスタートして、 と、距離を半分ずつつめながら に近づけていくと と計算できるので、次の表のようにまとめられる。

この表からも、 を に近づけると、 は に近づくことがわかる。つまり であるといえる。

上の2つの計算では、 の に値を代入してから約分して計算したが、 であるかぎり であるから、このように先に約分してから に値を代入する方が楽になる。

いま、 の値は では(分母が になるので)定義されないが、 は として存在する、つまり であることに注意しよう。

このことを、グラフで考えてみる。 は で と書けるので、 のグラフは図のようになり、 で が存在しなくても、 は存在することがある。

座標平面上に関数 y=(x^2-1)/(x-1) の直線状のグラフがあり、点(1, 2)は白丸になっている。その白丸に向かって、直線の両側から矢印が向いている。

極限の計算法則

極限の計算法則について

さきほどの2つの例より であった。いま、この2つの関数を足し合わせた関数 の極限 は、 のとき であるから となる。これは、極限をとったあと足し合わせた という結果と等しくなる。つまり が成り立っている。簡単にいえば、和の極限値は極限値の和と等しいということである。

和に限らず、一般に極限値の計算において、次のようなことがいえる。

§

定理2極限の計算法則

、 が存在するとき

  1. (複合同順)

  2. ただし、 は定数とする。

  3. ただし、 とする。

が成立する。

この定理を証明するためには、極限の定義をもっと厳密なものにする必要がある。厳密な極限の議論はFTEXT 数学IIIで行う。

最終更新: 2026-09-03

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