数学II 第5章 対数と対数関数 — 対数の計算法則

この節の前提指数の拡張/対数の定義

対数の計算に関して、大変興味深いいくつかの計算方法が成り立つ。ここでは、その計算方法について見ていこう。

和と差に関する対数の性質

和と差に関する対数の性質について

常用対数表には、を底とする対数の概算値がまとめてある。 この表によれば

なので

が成り立っているのがわかる。 このような関係が成り立つのは偶然ではなく、一般的には次のようにまとめられる。

§

定理1和と差に関する対数の性質

は を満たし、 とするとき

  • 1.
  • 1'.

が成り立つ。

たとえば、 、 などもいえる。

暗記1和と差に関する対数の性質の証明

実数に拡張された指数法則

  • 1.
  • 1'.

に、を底とする対数を考えることにより、和と差に関する対数の性質

  • 1.
  • 1’.

を証明せよ。

解答を見る
  • 1.指数法則 ,において、を底とする対数をとると

ここで、 とおくと、 なので

  • 1' 指数法則 において、を底とする対数をとると

ここで、 とおくと、 なので

問題1和と差に関する対数の性質の練習

とするとき、次の対数をで表せ。

解答を見る

,

,

実数倍に関する対数の性質

実数倍に関する対数の性質について

常用対数表の表によれば

なので

が成り立っているのがわかる。 このような関係が成り立つのは偶然ではなく、一般的には次のようにまとめられる。

§

定理2実数倍に関する対数の性質

は を満たし、 は任意の実数のとき

  • 2.

が成り立つ。

たとえば、 、 などもいえる。

暗記2実数倍に関する対数の性質の証明

実数に拡張された指数法則

  • 2.

に、を底とする対数を考えることにより、実数倍に関する対数の性質

  • 2'.

を証明せよ。

解答を見る
  • 2.指数法則 において、を底とする対数をとると

ここで、 とおくと、 なので

問題2対数の計算-その1-

次の式を簡単にせよ。

解答を見る
  1. 式を変形すると

  2. 式を変形すると

  3. 式を変形すると

  4. 式を変形すると

底の変換公式

底の変換公式について

ある対数の値は、底の違う別の対数の比で表すことができ

となる。

この式を使えば、たとえば底がの対数であるも、常用対数表をもちいて

と計算することができる。

§

定理3底の変換公式

は正の数で、 のとき

  • 3.

が成り立つ。特に、 のとき、 である。

この公式を使うことにより、底の違う対数の和や差も、底をそろえ、計算できるようになる。 これについては後の例題でみる。

暗記3底の変換公式の証明

が成り立っているとして、を底とする対数を考えることにより、底の変換公式

  • 3.

を証明せよ。 ただし、は正の数であり、 とする。

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  • 3.の証明

において、を底とする対数を考えると

いま、 より なので、 が成立する。

問題3対数の証明-その2-

次の式を簡単にせよ。

解答を見る
  1. 式を変形すると

  1. 式を変形すると

底の変換公式この問いのように対数の底が異なる場合は、まず底をそろえることを考えるとよい

  1. 式を変形すると

  1. 式を変形すると

問題4底の変換公式の活用

次の問いに答えよ。

  1. を証明せよ。 ただし、は正の数とし、 とする。

  2. 1.を利用して

    を計算せよ。

解答を見る
  1. 式を変形すると

  1. 式を変形すると

対数と指数の関係

対数と指数の関係について

が成り立つとき、対数の定義より である。 この を に代入することにより

が成り立つ。

この式が成り立つ理由は次のように考えられる。

まず、は対数の定義から 「は何乗するとになるのか?」という問いの答えであった。 そして、その値を実際に の指数としてもちいるのだから、それがになるのは当然である。

§

定理4対数と指数の関係

は を満たし、 のとき

  • 4.

が成り立つ。

問題5対数と指数の関係の利用

次の式を簡単にせよ。

解答を見る
  1. 式を変形すると

  1. 式を変形すると

最終更新: 2026-09-03

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