数学B 第7章 空間ベクトルと空間図形 — ベクトル方程式(空間)

この節の前提ベクトル方程式/空間座標/空間ベクトルの内積

直線のベクトル方程式(空間)

直線の通る1点と方向ベクトルが与えられたとき(空間)

直線l上に2点A, Pがあり、上側では原点Oから点Pへのベクトルpと平行なベクトルdを描いている。下側では原点Oから点Aへのベクトルaと、点Aから点Pへのベクトル t ベクトルd が示されている。

空間内の点 を通り でない に平行な直線をとする。このとき、この直線上を動く点 の位置ベクトル の表し方は、平面内の場合と全く同様で次のようになる。

まず、点 が直線 上にある限り、必ず であるから、空間ベクトルの平行条件より

となる実数 が存在する。よって

つまり

が成り立つ

次に、座標空間内で成分表示されたベクトルのベクトル方程式を考えてみよう。

点 を通り、方向ベクトルが である直線上の点 の座標を とおくと、 であるから、より

と表せる。これを、 を媒介変数とする直線の方程式という。

かつ かつ のとき、この式から媒介変数 を消去すると、座標空間内の直線の方程式は

と表せる。

問題1直線のベクトル方程式 I

以下のそれぞれについて、点 を通り方向ベクトルを とする直線 の方程式を、媒介変数 を用いて表せ。また、媒介変数を用いない形で直線の方程式を表せ。

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  1. それぞれの式を について解くと、 、 、 となるから

  2. それぞれの式を について解くと、 、 となり、 は常に であるから

  3. それぞれの式を について解くと、 、 となり、 は常に であるから

  4. が変化すると はすべての実数をとるが、 は常に であり、は常にであるから

    はすべての実数

直線の通る2点が与えられたとき(空間)

空間内の異なる2 点 を通る直線を とする。このとき、 は点 を通り、方向ベクトルが の直線であるから、 上の点 に関するベクトル方程式は、「直線の通る1 点と方向ベクトルが与えられたとき」 の(1)より

となる。

この式を利用して、座標空間内の2 点が与えられたときの直線の方程式を求めてみ よう。

、 とし、 とすると、 かつ かつ のとき、より

これより、 を消去して

を得る。なお、たとえば のときは、 が常に となるので、 と の2 つの式で直線を表す。

この式は、直線の通る1 点 を 、方向ベクトル を

として、「直線の通る1 点と方向ベクトルが与えられたとき」 の(1)を用いた結果に他ならない。

点Oから直線l上の点A, Bへそれぞれベクトルa, ベクトルbの矢印が向き、点Pへは破線の矢印でベクトルpが向いている。点Aと点Bの間にはベクトルb-ベクトルaと書かれている。

問題22 直線の距離

空間内に2 直線

がねじれの位置にあるとする( は任意の実数をとる)。

  1. 直線 と の距離 を、 と を用いて表せ。
  2. 点 、 、点 、 とするとき直線 との距離を求めよ。
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  1. を に正射影したベクトル は

    であり、 は とも とも垂直であるから、この正射影ベクトルは、点 を 上で、点 を 上でどのように動かしても変わらない。これは にも にも垂直な線分(共通垂線)に沿ったベクトルであり、その大きさ が2 直線の距離( 上の点と 上の点の距離の最小値) であるから

  2. であり、 であるから

平面のベクトル方程式

平面上の3点が与えられたとき

ここでは、同一直線上にない空間内の3 点 を含む平面を表すベクトル方程式を求めてみる。

平面α上に点A、B、C、Pがあり、ベクトルABのs倍とベクトルACのt倍を2辺とする平行四辺形の対角線として、ベクトルAPが描かれている。あわせて倍率を表す1、s、tが示されている。

まず、平面上の点 に関して は、「ベクトルの1 次結合の定義」で見たように、平面上の1 次独立な2 つの と に分解して

と表すことができる。

平面αの外にある点Oから平面上の点Aへ点線の矢印が伸びている。平面上では、点Aから点B、点Cへ向かう矢印の延長と平行線からなる破線の平行四辺形によって、点Pへ向かうベクトルAPが描かれている。

これを用いて は

と表すことができる。 、 、 、 を用いて整理すると

となる。

平面上の1点と法線ベクトルが与えられたとき

次に、平面上の1 点 と、法線ベクトル が与えられた場合のベクトル方程式を求めてみる。

平面α上に点Aと点Pがあり、AからPに向かう矢印と、これに垂直な法線ベクトルnが示されている。また、平面の外にある原点Oから点Aに向かう矢印が伸びている。

平面上の点 に関して は、法線ベクトル と常に垂直になるから

と表すことができる。

次に、座標空間内で成分表示されたベクトルのベクトル方程式をみていこう。

点 を通り、法線ベクトルが である平面上の点を とすると、 、 であるから、より

となる。

問題3平面のベクトル方程式

  1. 点 と平面 の距離を とすると

    であることを証明せよ。

  2. 点 と平面 との距離を求めよ。

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  1. 点 が平面上にないとき、点 から平面に下ろした垂線と平面との交点を とすると、平面の法線ベクトル と のなす角度は もしくは であるので

    ここで、 は垂線の足であり、 であるので、

    となる。なお、点 が平面上にあるときは かつ となるので、上の式はこの場合にも成り立つ。

    1. の関係を用いて

球面のベクトル方程式

中心と半径が与えられたとき(空間)

点 を中心とする、半径 の球を とする。このとき、この球面上を動くの点 の位置ベクトル の表し方を考えよう。

原点Oから球の中心Cと球面上の点Pに向かってそれぞれベクトルが伸びている。また、中心Cと点Pは破線で結ばれており、その長さがrと示されている。

点 が球 上にあるとき、常に線分 の長さは、すなわち となるから

が成り立つ。このを球ベクトル方程式という。

また、座標空間内で が と成分表示された場合、 とおくと

となり、これを座標空間における球の方程式という。

直径の両端が与えられたとき(空間)

異なる2 点 と を直径の両端とする球を とする。このとき、この球面上を動くの点 の位置ベクトル の表し方を考えよう。

原点Oから球上の点A、B、Pへそれぞれ矢印が伸びている。線分ABは球の直径で半径はrであり、球上の点Pで線分APと線分BPが直角に交わっている。

点 が球 上にあるとき、常に線分 と は直交、すなわち となるから

が成り立つ。このも球 のベクトル方程式である。

また、座標空間内で が と成分表示された場合、 とおくと

となり、これは2 点、 を直径とする球の方程式を表す。

問題4球面のベクトル方程式

以下の条件を満たす球面の方程式を求めよ。

  1. 中心が で、半径が
  2. 中心が原点で、点 を通る
  3. 直径の両端が
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  1. 中心と半径が与えられたとき球のベクトル方程式より

  2. 中心が原点なので、半径を とすると

    となる。ここで、 を通ることより

    したがって、求める方程式は である。

  3. 直径の両端が与えられたときのベクトル方程式より

最終更新: 2026-09-03

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